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不妊治療で医療保険は請求できる?2022年の保険適用で変わった点

不妊治療で医療保険の手術給付金が請求できるかを解説するアイキャッチ画像 保険について

この記事は厚生労働省の公表資料と、一般的な医療保険の約款の考え方をもとにまとめています。給付の対象になるかどうかは商品や加入時期によって異なります。ご自身の契約については、約款と保険会社に必ずご確認ください。

不妊治療が公的保険の対象になりました。加入中の医療保険からも出ますか。

出る場合があります。約款のタイプで変わるので、見る場所をお伝えします。

この記事でわかること
  • 医療保険から請求できる条件
  • 対象になる診療行為の具体名
  • 約款のどこを見ればよいか
  • これから加入する人の注意点

不妊治療にかかるお金の話は、公的な制度の説明で終わっているものがほとんどです。

加入中の医療保険から手術給付金が出る場合があります。知らずに請求しないまま終える方が少なくありません。

私は保険会社に約7年勤め、AFP(ファイナンシャルプランナー)として相談を受けてきました。約款の読み方まで具体的にお伝えします。


2022年4月に公的保険の対象になった

2022年4月から人工授精と体外受精などが公的医療保険の対象になったことを示すバナー画像

話の出発点はここです。制度が変わったことで、民間の保険の扱いも連動して変わりました。まず公的な側から整理しましょう。

一般不妊治療と生殖補助医療が対象に

厚生労働省の資料に、はっきり書かれています。

2022年2月の中央社会保険医療協議会で、方針が決まりました。人工授精などの一般不妊治療と、体外受精や顕微授精などの生殖補助医療が、同年4月から保険適用になっています。

それまで全額自己負担だった治療に、公的な保険が使えるようになったわけです。

採卵から胚移植まで一連が対象

生殖補助医療については、範囲も示されています。

採卵から胚移植に至るまでの一連の基本的な診療が、すべて保険適用になりました。部分的ではありません。

この「一連がすべて」という点が、あとの話につながってきます。

先進医療とは併用できる

追加で行う治療の扱いも決まりました。

患者の状態に応じて追加される治療のうち、先進医療に位置づけられたものは保険診療と併用できます。通常は保険診療と自由診療を混ぜられませんが、先進医療は例外です。

先進医療の仕組みは先進医療ってなにで解説しています。

なぜ民間の医療保険でも請求できるのか

公的保険の手術料の算定対象なら民間の医療保険も連動して給付対象になることを示すバナー画像

ここからが本題です。公的保険の対象になったことが、なぜ民間の医療保険に影響するのか。給付の決まり方を知ると理由が見えてきます。

手術給付金の対象は約款で決まる

民間の医療保険には、手術給付金という保障がありますね。

どの手術が対象になるかは、契約ごとの約款に書かれています。手術を受けたという事実だけでは決まらず、約款の定義に当てはまるかどうかで判断される仕組みです。

この定義の書き方が、商品によって大きく違います。

公的保険に連動するタイプがある

いま主流になっているのが、公的保険に連動する書き方です。

公的医療保険の手術料の算定対象となる診療行為を、給付の対象とする書き方です。国の制度と自動的に連動します。

つまり国が対象を広げれば、民間の給付範囲も一緒に広がるということです。

だから請求できる道が開けた

2022年4月に起きたのは、まさにこれです。

不妊治療が公的保険の算定対象に入ったことで、公的保険連動型の約款では自動的に給付の対象になりました。保険会社が商品を変えたわけではありません。

契約した当時には想定していなかった保障が、あとから届いた形です。

約款のタイプで3つに分かれる

約款が88種類型と公的保険連動型と最新型の3つに分かれることを示すバナー画像

ただし、すべての契約で出るわけではありません。加入した時期によって、約款の書き方が3つに分かれます。ここが結果を左右する一番大きな要素です。

88種類型は対象外のことが多い

古い医療保険に多いのが、対象の手術を一覧で並べるタイプです。

88種類といった形で、給付の対象になる手術が限定列挙されています。この一覧に入っていない手術は、公的保険の対象であっても給付されません。

このタイプだと、不妊治療は対象外になることが多くなります。

公的保険連動型は幅広く出る

次が、先ほどの連動するタイプです。

手術料の算定対象であれば、管理料と名の付くものまで給付される場合があります。もっとも範囲が広いタイプです。

具体的にどこまで入るかは、このあとの章でお見せします。

生体に手術操作を加えたものという条件

そして、もっとも新しい書き方がこれです。

公的保険の算定対象であることに加えて、生体に手術操作を加えたものという条件を付ける約款が増えています。名前は手術でも、体に操作を加えていないものを外す書き方です。

この一文があるかどうかで、受け取れる額が変わります。

対象になる診療行為の一覧

人工授精と採卵術と胚移植が対象になりうることを示すバナー画像

では、実際にどの診療行為が給付の対象になるのでしょうか。約款のタイプ別に見ていきます。ご自身の契約がどちらに当たるかを考えながら読んでみてください。

公的保険連動型の場合

対象になりうる診療行為を並べます。

診療行為手術給付金
人工授精対象になりうる
採卵術対象になりうる
体外受精管理料 顕微授精管理料対象になりうる
胚移植対象になりうる
胚凍結保存維持管理料対象になりうる
公的保険連動型の約款で対象になりうる診療行為(商品により異なります)

一般的な医療保険の手術より、対象が広いと感じるかもしれません。

同時期の管理料は一方だけのことも

注意したい組み合わせがもうひとつ。

受精卵胚培養管理料は、体外受精や顕微授精の管理と同じ時期に行われることがあります。その場合は、どちらか一方だけが対象になる可能性があります。

両方そろって受け取れると思い込まないほうが安全です。

最新の約款では管理料が落ちる

生体に手術操作を加えたものという条件が付いていると、結果が変わります。

管理料と名の付くものは外れ、人工授精と採卵術と胚移植が残る形になります。体に操作を加えているかどうかで線が引かれます。

同じ治療を受けても、いつ加入したかで結果が変わるということです。

これから加入を考えている人へ

治療歴があると告知で不利になるため通院前のほうが選択肢が広いことを示すバナー画像

ここからは、まだ医療保険に入っていない方に向けた話です。順番を間違えると選べる商品が減ってしまうので、知っておいて損はありません。

治療歴があると告知で不利になる

加入のときには、健康状態を告知する必要があるのです。

すでに不妊治療を受けている場合や治療歴がある場合は、その部分を保障しない条件が付くことがあります。加入自体が難しくなる商品もあるのです。

告知のルールは告知義務違反はどうなるにまとめています。

考え始めた時点がいちばん選べる

選択肢がもっとも多いのは、通院を始める前です。

検査や相談に行く前のほうが、入れる商品の幅は広く残っています。急ぐ必要はありませんが、順番は知っておきましょう。

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先進医療特約も確認しておく

保険診療と併用できる先進医療に備える特約があります。

保険料は月に数百円程度の商品が多く、負担は大きくありません。付けられるかどうか、いま付いているかどうかを確かめておきましょう。

証券の特約欄に書かれているので、すぐ確認できます。

加入できる商品があるか無料で相談する

請求するときにやること

診療明細書と約款の手術の定義を見てから保険会社に聞くことを示すバナー画像

すでに契約がある方の進め方です。難しい手続きではありません。順番にたどれば大丈夫です。

約款で手術の定義を読む

最初に見るのは、約款の手術給付金の項目です。

公的医療保険制度における手術料の算定対象という文言があるか。そして、生体に手術操作を加えたものという条件が付いているか。この2点を探してください。

約款が手元になければ、保険会社のサイトから見られることが多いです。

診療明細書をそろえる

判断の材料になるのは、病院が出す書類です。

診療明細書には、受けた診療行為の名前がそのまま並んでいます。採卵術や胚移植という項目を探してみてください。

必要な書類の集め方は手術給付金の対象になる手術も参考になります。

保険会社への聞き方

自分で判断がつかないときは、そのまま聞けば大丈夫です。

診療明細書に書かれた診療行為の名前を読み上げて、これは手術給付金の対象になりますかと尋ねましょう。名前が分かれば、担当者も調べられます。

対象外と言われたら、約款のどの条項による判断かも聞いておきましょう。

不妊治療と医療保険のよくある質問

不妊治療と医療保険に関するよくある質問をまとめたバナー画像

相談の現場でよく聞かれることをまとめました。気になる項目から確認してみてください。

入院していなくても請求できるか

手術給付金は、入院を伴わなくても支払われる商品が多くあります。日帰りや通院での処置でも、約款の定義に当てはまれば対象です。

何回まで請求できるか

同じ手術を繰り返す場合、60日に1回などの制限が付くことがあります。回数の数え方は約款ごとに違うので、事前に確認しておきましょう。

過去の治療分もさかのぼれるか

約款では原則3年と決められています。ただし必要な書類がそろえば、3年を過ぎていても請求できることがあります。2022年4月以降に受けた治療なら、まず保険会社に聞いてみてください。

高額療養費も使えるか

公的保険の対象になった治療なので、1か月の自己負担には上限があります。仕組みは高額療養費制度とはをご覧ください。

対象外と言われて納得できないときは

約款のどの条項による判断かを聞き、それでも納得できなければ中立の相談窓口があります。進め方は給付金が支払われないときにできることにまとめました。

まとめ

対象かどうかは治療の内容ではなく約款の文言で決まることを示すバナー画像

要点を振り返りましょう。

この記事のまとめ
  • 2022年4月に公的保険の対象になった
  • 公的保険連動型の約款なら給付の対象になりうる
  • 88種類型は対象外のことが多い
  • 生体に手術操作を加えたものとあると管理料は落ちる
  • まず診療明細書と約款を見る
  • 請求できるのは原則3年以内

対象かどうかは、治療の内容ではなく約款の文言で決まります。迷ったら自分で判断せず、診療明細書を手元に置いて保険会社に聞いてみてください。

商品や加入時期で扱いは変わります。この記事はあくまで考え方の整理として使ってください。

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