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【結論】就業不能保険は会社員には不要?中の人が教える例外3つ

就業不能保険は会社員に必要かと例外になる条件を解説する記事のアイキャッチ画像 保険について

公的保障の内容や金額は、加入している健康保険や年金の状況によって異なります。保険の保障内容も商品ごとに違います。詳しくは勤務先、年金事務所、保険会社でご確認ください。

夫が病気で長く働けなくなったら、家計はどうなるんだろう。就業不能保険って入ったほうがいいのかな……

会社員の方なら、多くの場合は保険に入る前に使える公的な保障があります。ただ、例外もあるので一緒に確認しましょう。

こんな方に向けた記事です
  • 就業不能保険をすすめられて迷っている人
  • 病気で働けなくなったときの家計が不安な人
  • 会社員と自営業の保障の違いを知りたい人
  • 保険料のムダを減らしたい人

病気やケガで長く働けなくなる不安は、住宅ローンや教育費を抱える子育て世帯ほど大きいものです。そんな不安に応える保険として、就業不能保険をすすめられた方もいるのではないでしょうか。

結論から言うと、会社員の多くは、就業不能保険に入らなくても公的な保障で備えられます。一方で、会社員でも備えを考えたほうがよい例外があり、自営業の方には別の対策が必要です。

私は保険会社に約7年勤めてきたAFP(ファイナンシャルプランナー)です。この記事では、会社員に就業不能保険がいらない理由と、例外になる3つの条件を本音でお伝えします。

  • 会社員に就業不能保険がいらない理由
  • 会社員でも備えを考えたい3つの条件
  • 自営業やフリーランスの備え方
  • 保険を選ぶときの注意点
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会社員に就業不能保険がいらない理由

会社員が働けなくなったときに使える公的な保障を示すバナー画像

会社員が就業不能保険を急いで検討しなくてよい一番の理由は、働けなくなったときの公的な保障が手厚いからです。勤務先の健康保険と厚生年金に加入していれば、休んでいる間の生活費は国の制度でかなりの部分をまかなえます。障害が残った場合の収入も同じです。保険を検討する前に、まずはすでに持っている保障を確認しておきましょう。

今の保障で足りるかプロに相談
働けなくなったときの保障会社員自営業・フリーランス
有給休暇ありなし
傷病手当金あり(給与の約3分の2)原則なし
労災保険あり(仕事中や通勤中のケガや病気)原則なし(特別加入の制度あり)
障害年金障害厚生年金と障害基礎年金障害基礎年金のみ
会社員と自営業の公的な保障の違い

傷病手当金で給与の約3分の2

病気やケガで仕事を休み、給与が出ない場合は、健康保険から傷病手当金を受け取れます。扶養のままだと使えないので、106万円の壁がなくなったもあわせてご覧ください。

金額はおおよそ給与の3分の2で、同じ病気やケガについて支給が始まった日から通算して1年6か月まで支給される仕組みです。2022年1月からは、途中で復職した期間を除いて数えるようになりました。

項目内容
月収30万円の人の目安月約20万円
支給される期間通算1年6か月まで
待期期間連続した3日間の休み(4日目から支給)
傷病手当金の目安(協会けんぽなどの健康保険の場合)

精神疾患による休職も対象になります。長く休む原因として多い病気でも使えるのが、この制度の心強い点です。

障害厚生年金と障害基礎年金

障害が残って働けない状態が続く場合は、障害年金を受け取れる可能性があります。

会社員は厚生年金に加入しているため、障害基礎年金に加えて障害厚生年金も対象です。障害厚生年金は、自営業の方にはない3級まで用意されています。

等級障害基礎年金(2026年度)障害厚生年金
1級年106万円程度(子の加算あり)あり(報酬に応じた額)
2級年84万7,300円(子の加算あり)あり(報酬に応じた額)
3級なしあり(最低保障は年63万5,500円)
障害年金の等級と金額の目安(2026年度)

障害年金を受け取っている人のうち、精神の障害と知的障害による人は約6割にのぼります(厚生労働省・2019年調査)。うつ病などの精神疾患も、障害年金の対象になります。

有給休暇や会社独自の制度

休み始めてすぐの時期は、有給休暇を使って給与を満額受け取りながら休めます。

さらに勤務先によっては、独自の上乗せの制度があります。休職中の給与の一部を支払う制度や、健康保険組合の付加給付などです。

  • 就業規則の休職制度
  • 健康保険組合の付加給付
  • 会社で加入している団体保険

これらは会社ごとに違うので、一度ご自身の就業規則や福利厚生の案内を見ておくと安心です。すでに十分な保障を持っていたと気づく方も少なくありません。

会社員でも備えを考えたい人の3条件

会社員でも就業不能への備えを考えたい3つの条件を示すバナー画像

公的な保障が手厚い会社員でも、家計の状況によっては足りなくなる場合があります。傷病手当金は給与の全額ではなく、支給される期間にも限りがあるからです。次の3つのうち当てはまるものがあれば、就業不能保険を含めて何らかの備えを考えておくと安心です。どれにも当てはまらなければ、今の保障で十分なことが多いでしょう。

貯蓄が生活費の数か月分もない

1つめは、手元の貯蓄が生活費の数か月分に満たない家庭です。

傷病手当金は給与の約3分の2なので、毎月の生活費との差額は貯蓄から出していくことになります。今と同じ暮らしを続けると、月収30万円の人なら毎月約10万円ずつ貯蓄が減っていく計算です。

ボーナスが出なくなることや、社会保険料や住民税は休んでいる間も払い続けることも忘れないでください。

住宅ローンなど固定費が大きい

2つめは、住宅ローンの返済など、減らしにくい固定費が大きい家庭です。

収入が3分の2になっても、ローンの返済額は変わらないからです。団信は亡くなったときや重い病気のときにローンを残さない保険で、休職中の返済まで守ってくれるとは限りません。

住宅ローンを組むときに、就業不能の特約をつけたような気がします

その場合は、あとで説明するように保障が重なっていないか確認が必要です。ローンの契約書類で、特約の条件を見ておきましょう。

団信で守られる範囲と残る費用は、団信があれば生命保険はいらない?減らせる保障と残す保障で詳しく解説しています。

1年6か月を超えて長引いた場合

3つめは、病気が長引いて傷病手当金の期間を過ぎてしまった場合の備えです。

傷病手当金は通算1年6か月で終わり、その後は障害年金を受け取れるかどうかで収入が大きく変わるからです。障害年金には審査があり、請求すれば必ず受け取れるわけではありません。

特に片働きの家庭では、この期間を過ぎたあとの見通しを持っておくと安心です。とはいえ、まずは貯蓄で備えられる範囲を考え、足りない部分だけを保険で補う考え方をおすすめします。

自営業やフリーランスの備え方

自営業やフリーランスが働けなくなったときの備え方を示すバナー画像

自営業やフリーランスの方は、会社員とは状況がまったく違います。国民健康保険には原則として傷病手当金がなく、有給休暇もないため、働けなくなった日から収入が止まってしまうからです。そのため、何らかの対策は欠かせません。ただし、いきなり保険に頼るのではなく、使いやすい備えから順番に考えていくのがおすすめです。

公的な保障は障害基礎年金だけ

自営業の方が働けなくなったときに頼れる公的な保障は、原則として障害基礎年金だけです。

しかも障害基礎年金は1級と2級だけで、会社員の障害厚生年金のような3級はありません。障害の程度が比較的軽い場合は、公的な給付を受け取れないこともあります。

一部の自治体では、国民健康保険に独自の傷病手当金を設けている例もあります。お住まいの市区町村の制度も一度確認してみてください。

まずは生活費1年分の貯蓄

自営業の方にまずおすすめしたいのは、生活費の1年分を貯蓄として確保しておくことです。

貯蓄なら病気の種類を問わず、休んだその日から使えるからです。月の生活費が25万円なら、300万円が目安になります。

比べる点貯蓄就業不能保険
使えるタイミング休んだ日からすぐ免責期間が過ぎてから
病気の種類問わない商品によって対象外がある
働けなくならなかった場合そのまま手元に残る保険料は戻らないことが多い
貯蓄と就業不能保険の使い勝手の違い

貯蓄が難しい場合の就業不能保険

すぐに1年分の貯蓄を用意するのが難しい場合は、就業不能保険が選択肢になります。

貯蓄が貯まるまでの間のつなぎとして、少ない保険料で収入の備えを持てるからです。貯蓄が目標額に届いたら、保障を減らしたり解約したりして見直すのも一つの方法です。

加入する場合は、次に紹介する注意点を必ず確認してから選んでください。

就業不能保険を選ぶときの注意点

就業不能保険を選ぶときに確認したい3つの注意点を示すバナー画像

就業不能保険は、商品によって支払いの条件が大きく違う保険です。「働けなくなったら毎月お金が出る」とだけ理解して加入すると、いざというときに対象外だったということになりかねません。保険会社で請求のご相談を受けてきた立場から、契約前に確認していただきたい3つのポイントをまとめました。

精神疾患の扱い

一番に確認したいのは、精神疾患で働けなくなった場合に支払いの対象になるかどうかです。

精神疾患を対象外にしている商品や、対象にしていても支払う期間を短く限っている商品があるからです。長く休む原因として多い病気が対象外では、備えとして不十分になってしまいます。

休職中の支払い条件については、休職保険の「就労困難状態」とは?で相談事例をもとに解説しています。

支払いが始まるまでの免責期間

就業不能保険は、働けなくなってすぐにお金が出るわけではありません。

多くの商品に「60日」や「180日」などの免責期間があるからです。その間ずっと働けない状態が続いて、はじめて支払いの対象になります。

つまり、どの商品を選んでも、最初の2か月から半年ほどは貯蓄などで生活する必要があります。保険に入っていても、貯蓄はゼロでよいわけではありません。

住宅ローンの就業不能特約との重なり

住宅ローンの団信に就業不能の特約をつけている場合は、保障が重なっていないか確認しましょう。

一定期間働けない状態が続くと、ローンの返済を肩代わりしたり、残りを支払ったりする特約があるためです。

  • 対象になる病気の範囲
  • 支払いが始まるまでの期間
  • 精神疾患の扱い

特約の条件によっては、就業不能保険を小さくしたり、なくしたりできることがあります。ローンを組んだ金融機関の書類で内容を確かめてみてください。

就業不能保険のよくある質問

就業不能保険に関するよくある質問をまとめたバナー画像

最後に、就業不能保険について子育て世帯からよくいただく質問をまとめました。パートで働いている場合の公的な保障や、名前の似た保険との違い、傷病手当金と障害年金の関係など、見落としやすい内容です。気になる項目だけ読んでいただいても構いません。

パートの妻は傷病手当金をもらえるか

勤務先の健康保険に自分で加入していれば、パートでも傷病手当金を受け取れます。

一方、夫の扶養に入っている場合は対象になりません。傷病手当金は、健康保険に被保険者として加入している本人に支給される制度だからです。

扶養内で働く妻が働けなくなっても、家計への影響は夫の場合より小さいことが多いです。まずは夫の保障を優先して確認するとよいでしょう。

収入保障保険との違い

収入保障保険は亡くなったとき、就業不能保険は生きていて働けないときに備える保険です。

どちらも毎月お金を受け取る形なので混同されやすいのですが、備えるリスクが違います。子育て世帯の死亡保障の考え方は、収入保障保険とは?月いくら必要かで詳しく解説しました。

所得補償保険との違い

所得補償保険も働けないときに備える保険ですが、主に損害保険会社が扱っています。

支払われる期間が1年から2年程度と短めの商品が多い一方で、支払いが始まるまでの期間が短い傾向です。就業不能保険は主に生命保険会社の商品で、長期の支払いに対応したものが多いのが特徴です。

傷病手当金と障害年金の同時受給

同じ病気で両方を受け取れる場合は、原則として障害年金が優先されます。

ただし、傷病手当金の日額のほうが障害年金を日割りした額より多いときは、その差額が傷病手当金として支給されます。あとから障害年金の受給が決まり、傷病手当金の返還を求められるケースもあるので注意してください。

退職後の傷病手当金

一定の条件を満たせば、退職したあとも傷病手当金を受け取り続けられます。

退職日までに継続して1年以上健康保険に加入していて、退職時に傷病手当金を受けているか受けられる状態だった場合です。退職日に出勤してしまうと対象外になることがあるので、退職を考えるときは事前に健康保険の窓口に確認してください。

まとめ

保険料を払う前に今ある保障を確かめることを伝えるバナー画像

会社員の多くは、傷病手当金や障害年金などの公的な保障で、働けなくなったときに備えられます。就業不能保険を検討するのは、まず今の保障と貯蓄を確認してからで十分です。

この記事の振り返り
  • 会社員は傷病手当金で給与の約3分の2
  • 障害年金は精神疾患も対象
  • 貯蓄が少ない・固定費が大きい家庭は要注意
  • 自営業はまず生活費1年分の貯蓄
  • 保険は精神疾患の扱いと免責期間を確認

保険は万能ではなく、どんな病気にもすぐ使える一番の備えは貯蓄です。保険料を払う前に、今ある保障を確かめるところから始めてみてください。

今の保障で足りるかどうかは、家族構成や貯蓄で変わります。迷ったらプロと一緒に整理するのも一つの方法ですよ。

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