いつもお読みいただき、ありがとうございます。 本記事では、休職保険の給付対象となる「就労困難状態」の意味と、請求に必要な書類・注意点について解説します。 読了時間の目安は約5分です。
こんなご相談をいただきました
休職保険に加入中です。うつ病で入院はしていませんが、休職状態です。就労困難状態が30日を超えたら請求できる保険なのですが、「就労困難状態」とはどういう状態ですか?
うつ病などで休職された方から、よくいただくご質問です。「入院していないと対象外なのでは?」と不安になる方も多いのですが、実は入院していなくても対象になるケースがあります。順番に見ていきましょう。
「就労困難状態」には2つのパターンがあります
休職保険でいう「就労困難状態」とは、次の「入院」または「在宅療養」のどちらかに当てはまる状態を指します。
| パターン | 内容 |
|---|---|
| (1)入院 | 医師による治療が必要で、自宅等での治療が難しいため、病院・診療所に入院し、常に医師の管理下で治療に専念している状態 |
| (2)在宅療養 | 入院はしていないが、医師の管理のもと自宅等で計画的な治療に専念しており、かつ休職していると認められる状態 |
ご相談者のように「入院はしていないが休職中」という場合は、(2)在宅療養に当てはまるかどうかがポイントになります。
「在宅療養」と認められる条件
在宅療養は、次の2つの両方を満たす必要があります。
- 医師による治療が継続していること 自宅等(障害者支援施設なども含みます)で、医師の医学管理下において計画的な治療に専念している状態です。
- 勤務先を休職していると認められること 保険会社所定の「休職証明書」の提出により、傷害または疾病を原因として休職していると認められる状態です。
なお、休職証明書が提出できない期間については、医師により「軽労働(梱包・検品などの作業)」「座業(事務など)」「軽い家事(簡単な炊事、洗濯、皿洗い、布団の上げ下げなど)」のいずれもできないと診断された状態であることが条件になります。
この就労困難状態が、該当した日から数えて30日を超えて継続したときに、第1回の給付金を請求できる仕組みです。
注意:精神疾患が対象外の休職保険もあります
ここで大切な注意点があります。休職保険(就業不能保険)の中には、うつ病などの精神疾患を保障の対象外としている商品もあります。
商品によって、おおよそ次のような違いがあります。
| タイプ | うつ病などの精神疾患 |
|---|---|
| 精神疾患も保障するタイプ | 対象(ただし支払回数の上限が別に設けられていることが多い) |
| 精神疾患は対象外のタイプ | 対象外(ケガや身体の病気のみ保障) |
精神疾患を保障するタイプでも、「通算12回まで」のように身体の病気とは別の支払限度が設定されているのが一般的です。ご自身の保険証券や約款で、精神疾患が対象かどうか、支払限度が何回までかを確認しておくとよいでしょう。
請求に必要な書類
請求の際は、主に次の2つの書類が必要になります。
| 書類 | 誰に書いてもらうか |
|---|---|
| 診断書 | 通院先の病院の先生(主治医) |
| 休職証明書(保険会社所定) | 勤務先(人事・総務部門の担当者など) |
休職証明書は、勤務先の代表者またはそれに準ずる方(人事・総務部門の担当者など)に証明してもらうものです。ご本人(被保険者)以外の方の証明が必要な点にご注意ください。
なお、休職証明書が用意できない場合は、診断書の内容で判断されることになります。その場合は前述のとおり、軽労働・座業・軽い家事のいずれもできないと医師に診断されていることが条件になるため、ハードルが上がる点は知っておきたいところです。
その他の注意事項
最後に、見落としがちな注意点をまとめます。
- 治療に専念していることが前提です。 医師の指示に従わず、必要な治療を行っていない場合は「治療に専念している」とは認められません。
- 日常生活に支障がない状態は対象外です。 たとえば定期的に薬の処方を受けていても、食事や入浴などの日常生活に問題がない状態(精神疾患の場合は就労に影響を及ぼさない状態)は、治療専念中とは扱われません。
- 症状が固定している場合は対象外です。 在宅療養における「医師による治療」は、症状の改善のために行われる医療行為を指します。症状が固定し、それ以上の改善が見込めないものは該当しません。
- 退職すると条件が変わります。 退職などにより休職証明書が提出できなくなった場合、在職中と在宅療養の要件が異なります。請求中に退職を検討している場合は、事前に保険会社へ確認するのがおすすめです。
- 支払回数には上限があります。 同一の就労困難状態について12回まで(通算60回)、精神疾患の場合は通算12回までといった限度が設けられているのが一般的です。
まとめ
- 就労困難状態とは「入院」または「在宅療養」に該当する状態のこと
- 入院していなくても、医師の治療を受けながら休職していれば「在宅療養」として対象になる可能性がある
- ただし、精神疾患を対象外とする休職保険もあるため、ご自身の契約内容の確認が大切
- 必要書類は「医師の診断書」と「勤務先に書いてもらう休職証明書」(用意できない場合は診断書で判断)
うつ病での休職は、心身ともに大変な時期かと思います。給付金の請求は経済的な支えになりますので、まずは保険会社や代理店に問い合わせて、ご自身の契約が対象になるか確認してみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。実際の支払可否は各保険会社の約款・審査によりますので、詳細はご加入の保険会社にご確認ください。

