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【中の人が解説】地震保険は必要?火災保険では出ない損害と受け取れる額

地震保険が必要かどうかと火災保険では出ない損害を解説するアイキャッチ画像 保険について

保険料や認定の基準は改定されることがあります。この記事は書いた時点の一般的な内容です。契約の前に、保険会社や代理店にご確認ください。

見積もりに地震保険が付いていました。保険料も上がるので、外してもいいですか。

その前に1つだけ確認させてください。地震が原因の火災は、火災保険では出ないのです。

こんな方に向けた記事です
  • 地震保険を付けるか迷っている人
  • 火災保険だけで足りると思っていた人
  • 保険料をどう抑えるか知りたい人
  • 受け取れる額を知っておきたい人

火災保険に入っていれば、火事はすべて大丈夫だと思っていませんか。

地震が原因の火災は、火災保険では1円も出ません。備えるには、地震保険を別に付ける必要があります。

私は保険会社に約7年勤め、AFP(ファイナンシャルプランナー)として相談を受けてきました。独特な仕組みと、受け取れる額の現実をお伝えします。

地震保険を付けた場合の保険料を無料で比べる

地震保険は火災保険とセット

地震保険は火災保険に付ける形でしか入れないことを示すバナー画像

まず、制度のかたちから見ていきましょう。地震保険は、ほかの保険とは成り立ちが違います。民間の保険会社だけでは支えきれないため、国が関わって運営されている保険です。そのぶん、選び方のポイントも変わってきます。

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単独では入れない

地震保険だけを契約することはできません。

火災保険に付ける形でしか入れない仕組みになっています。すでに火災保険に入っている方なら、途中からでも追加できます。

必要だと思ったときに、更新を待たずに手続きできるということです。

保険料はどこで入っても同じ

ここがほかの保険と大きく違う点です。

同じ条件なら、どの保険会社で入っても保険料は変わりません。補償の内容も共通です。

比べる意味があるのは、セットになる火災保険のほうだと言えます。

国が関わる制度

保険料が一律なのは、国が後ろにいるからです。

大きな地震が起きると支払いが一度に集中するため、政府が再保険という形で引き受けています。民間だけでは成り立たない保険だということです。

もうけを出すための保険ではなく、生活の立て直しを支える制度になっています。

地震が原因の火災は火災保険で出ない

地震が原因の火災や津波は火災保険の対象外だと示すバナー画像

ここがいちばん誤解されているところです。火事なのだから火災保険、と考えるのは自然に思えます。ところが原因が地震だと、答えが変わります。知らないまま入っていない方が多いので、しっかり確認しておきましょう。

火災保険の対象から外れている

火災保険の約款には、地震による損害は補償しないと書かれています。

地震で倒れた家も、地震で起きた火事で燃えた家も対象外です。原因が地震である限り、火災保険からは支払われません。

火事という結果が同じでも、きっかけで扱いが分かれるわけです。

津波も地震保険の担当

水の被害も、原因によって担当が変わります。

大雨や台風による浸水は火災保険の水災で出ますが、津波による被害は地震保険の担当です。雨が原因なら火災保険、揺れが原因なら地震保険と覚えておきましょう。

水災のしくみは、家が浸水したら火災保険は出る?水災補償の落とし穴にまとめています。雪やなだれによる損害は雪で屋根が壊れたら火災保険は出るをご覧ください。

だから別に付ける必要がある

地震の被害に備える方法は、実質的に地震保険しかありません。

地震、噴火、そしてそれらによる津波。この3つが原因の損害は、ほかの保険では引き受けてもらえないためです。

火災保険の証券を開いて、地震保険の欄があるか確かめてみてください。

入れる金額は火災保険の半分まで

地震保険の金額は火災保険の30から50パーセントまでだと示すバナー画像

次は金額の話です。ここで期待と現実のずれが起きやすくなります。地震保険は、建て直しの費用をまるごと用意する保険ではありません。何のための保険なのかを知っておくと、判断がしやすくなります。

30パーセントから50パーセント

設定できる保険金額の範囲は、次のとおりです。

項目内容
設定できる範囲火災保険の保険金額の30%から50%
建物の上限5,000万円
家財の上限1,000万円
地震保険の保険金額の決まり(財務省の資料をもとに作成)

火災保険を2,000万円で契約しているなら、地震保険は600万円から1,000万円の間で決めることになります。

建て直しには足りない

上限いっぱいで入っても、半分までです。

地震保険だけで家を建て直すことはできません。そういう設計になっていないからです。

この点を知らずに契約して、あとで驚く方が少なくありません。

生活を立て直すための保険

では何のための保険なのか、という話になります。

当面の住まいを借りる、家財を買いそろえる、ローンを払い続ける。そうした被災直後の生活を支えるお金だと考えると、しっくりきます。

半分でも手元に現金があるかどうかで、その後の選択肢は大きく変わります。

支払いは4つの区分

地震保険の支払いは全損100パーセントから一部損5パーセントまでの4区分だと示すバナー画像

受け取る金額の決まり方も独特です。かかった修理費をそのまま払う形ではありません。被害の程度を4つに分けて、決まった割合を支払います。認定の基準も建物と家財で違います。

全損なら100パーセント

区分ごとの支払い割合は、次のとおりです。

区分支払われる割合
全損保険金額の100%
大半損保険金額の60%
小半損保険金額の30%
一部損保険金額の5%
損害の程度に応じた支払い割合(いずれも時価額が限度)

修理費がいくらかかったかではなく、どの区分に当てはまるかで決まります。

建物は主要構造部で見る

建物の区分は、土台や柱、壁、屋根の損害で判断します。

その損害額が時価の50パーセント以上なら全損、40パーセント以上なら大半損、20パーセント以上なら小半損という目安です。

窓ガラスや外構だけが壊れた場合は、区分に届かないこともあります。

家財は別の基準

家財を契約している場合は、別の物差しで見ます。

家財全体の時価のうち、どれだけ損害が出たかで判断されます。80パーセント以上で全損、60パーセント以上で大半損という区分です。

食器が何枚か割れた程度では、区分には届きません。

保険料と4つの割引

地震保険の割引は最大50パーセントで重複しては使えないことを示すバナー画像

保険料は住んでいる場所と建物で決まります。会社ごとの差はないので、下げる方法は限られます。その数少ない手段が割引です。使えるものがないか、必ず確かめておきましょう。

都道府県と構造で決まる

保険料を左右するのは、所在地と建物の造りです。

地震の起きやすさによって都道府県ごとに差があり、木造か鉄骨かでも変わります。同じ家でも、引っ越せば保険料は変わるということです。

一戸建ての木造は、もっとも保険料が高くなる組み合わせになります。

割引は10から50パーセント

住まいの性能に応じた割引は、次の4つです。

割引の種類割引率
免震建築物50%
耐震等級350%
耐震等級230%
耐震等級110%
耐震診断10%
建築年(1981年6月以降の新築)10%
地震保険の割引(重複しては使えません)

2000年以降に建てた家なら、耐震等級の割引が使えることがあります。

重複しては使えない

複数の条件に当てはまっても、合わせ技にはできません。

いちばん割引率の高いものを1つだけ選ぶ形です。適用には、性能を証明する書類の提出が必要になります。

住宅性能評価書や建築確認書が手元にあるか、探してみてください。

地震保険料控除で税金が戻る

地震保険料控除は所得税で最高5万円住民税で最高2万5千円だと示すバナー画像

保険料を払うと、税金のほうでも恩恵があります。火災保険の保険料は控除の対象になりませんが、地震保険の部分だけは別です。年末調整で申告すれば、その年の税金が軽くなります。

所得税は最高5万円

ここで知っておきたいのが、控除の上限です。

年間の保険料が5万円以下ならその全額、5万円を超えたら一律5万円が控除されます。住民税のほうは、最高2万5千円です。

保険料がそのまま戻るわけではなく、税率をかけた分が軽くなります。

年末調整で申告する

会社員の方は、年末調整で手続きできます。

秋ごろ届く控除証明書を、申告書に書き写して添えます。捨ててしまわないよう気をつけましょう。

書き方は年末調整の生命保険料控除の書き方と同じ用紙なので、あわせてご覧ください。

長期契約の場合

何年分かをまとめて払っている方もいると思います。

その場合は、1年あたりの金額に割り戻した額が毎年の控除の対象です。証明書にその金額が書かれているので、そのまま使えます。

まとめ払いでも、毎年きちんと申告できるということです。

地震保険のよくある質問

地震保険に関するよくある質問をまとめたバナー画像

相談の現場でよく聞かれることをまとめました。気になる項目から確認してみてください。

途中からでも付けられるか

火災保険の期間の途中でも追加できます。更新を待つ必要はないので、必要だと思ったら保険会社に連絡しましょう。

賃貸でも必要か

建物は大家さんの契約なので、借りている側は家財に付けるかどうかを考えます。家具や家電を買い直す費用に備えるイメージです。

保険金を受け取ると契約は終わるか

全損で保険金を受け取った場合は、その時点で地震保険の契約が終わります。一部損などであれば、契約はそのまま続きます。

マンションでも入る意味はあるか

建物の共用部分は管理組合の契約なので、専有部分と家財が自分の範囲です。高い階ほど揺れが大きく、家財の被害が出やすくなります。

保険料を安くする方法はあるか

会社による差がないので、使えるのは割引と長期契約です。セットになる火災保険のほうは比べる価値があるので、そちらで下げる手もあります。

まとめ

まず保険証券を開いて地震保険の欄を確かめることをすすめるバナー画像

地震保険は、ほかの保険とは考え方が違います。要点を振り返りましょう。

この記事のまとめ
  • 地震が原因の火災は火災保険で出ない
  • 火災保険とセットでしか入れない
  • 金額は火災保険の30%から50%まで
  • 支払いは4区分の決まった割合
  • 保険料はどの会社でも同じ
  • 割引は1つだけ使える

まず証券を開いて、地震保険の欄があるか見てください。なければ、火災保険の見直し方とあわせて考えるとむだがありません。

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