税制は変更される場合があります。実際の申告や記入方法は、国税庁の案内や勤務先の担当部署、税務署でご確認ください。

年末調整の用紙が配られたけれど、生命保険料控除の欄の書き方がわかりません…

控除証明書の見方さえわかれば大丈夫です。2026年分は、子育て世帯だけの特例もありますよ。
- 年末調整の書き方がわからない人
- 控除証明書が届いて困っている人
- 23歳未満の子どもがいる人
- いくら戻るのか知りたい人
毎年10月ごろになると、保険会社から控除証明書が届きます。年末調整の用紙と一緒に渡されても、どこに何を書けばよいのか迷いますよね。
生命保険料控除は、書くだけで税金が戻ってくる制度です。2026年分は、23歳未満の子どもがいる家庭だけの特例もあります。
私は保険会社に約7年勤め、AFP(ファイナンシャルプランナー)として相談を受けてきました。この記事では、控除のしくみと書き方を順番にお伝えします。
- 生命保険料控除のしくみ
- 2026年分だけの6万円特例
- 控除額の計算のしかた
- 申告書の書き方と注意点
生命保険料控除のしくみ

まずは制度の全体像から整理しましょう。払った保険料の一部を所得から差し引ける制度で、その分だけ税金が軽くなります。区分と契約時期で金額が変わるのがポイントです。
控除は3つの区分に分かれる
生命保険料控除には、次の3つの区分があります。
- 一般生命保険料(死亡保障や学資保険など)
- 介護医療保険料(医療保険やがん保険など)
- 個人年金保険料(税制適格特約のある年金保険)
どの区分になるかは、控除証明書に書かれています。自分で判断する必要はありません。
新制度と旧制度で上限が違う
契約した時期によって、適用される制度が変わります。
| 制度 | 対象の契約 | 区分ごとの上限 | 合計の上限 |
|---|---|---|---|
| 新制度 | 2012年1月1日以降 | 4万円 | 12万円 |
| 旧制度 | 2011年12月31日以前 | 5万円 | 10万円 |
旧制度には介護医療の区分がなく、一般と個人年金の2つだけです。
住民税も軽くなる
控除が効くのは所得税だけではありません。
住民税でも控除を受けられ、合計の上限は7万円です。所得税と住民税の両方が軽くなるので、書き忘れると二重に損をします。
年末調整で申告すれば、住民税の手続きは別に必要ありません。
2026年分だけの6万円特例

2026年分の年末調整では、子育て世帯向けの特例があります。対象になる方は、一般生命保険料の上限が4万円から6万円に増えます。使えるかどうかを確認しておきましょう。
23歳未満の扶養親族がいる人
対象になるのは、23歳未満の扶養親族がいる方です。
新制度の一般生命保険料が対象で、上限が6万円に広がります。子どもが生まれてから大学生くらいまでの家庭が対象です。
対象の条件は、生命保険料控除が6万円に|子育て世帯の対象条件で詳しく解説しています。
特例の計算式
特例を使う場合は、計算式も変わるので確認しておきましょう。
| 年間の払込保険料 | 控除額 |
|---|---|
| 3万円以下 | 全額 |
| 3万円超〜6万円以下 | 保険料×1/2+1万5,000円 |
| 6万円超〜12万円以下 | 保険料×1/4+3万円 |
| 12万円超 | 一律6万円 |
年12万円以上払っている方なら、上限の6万円まで受けられます。
合計の上限は12万円のまま
ここで気をつけたいのが、合計の上限は変わらないという点です。
一般が6万円になっても、3つの区分を合わせた上限は12万円のままです。すでに12万円まで使っている方は、特例で増える分はありません。
夫婦のどちらか一方が子どもを扶養していても、もう一方も特例の対象になります。
控除額の計算のしかた

実際の金額は、控除証明書に書かれた年間の払込額をもとに計算します。式は決まっているので、当てはめるだけです。新旧の両方がある場合の考え方も知っておきましょう。
新制度の計算式
2012年以降に契約した保険は、次の式で計算します。
| 年間の払込保険料 | 控除額 |
|---|---|
| 2万円以下 | 全額 |
| 2万円超〜4万円以下 | 保険料×1/2+1万円 |
| 4万円超〜8万円以下 | 保険料×1/4+2万円 |
| 8万円超 | 一律4万円 |
たとえば年6万円払っている場合、6万円×1/4+2万円で3万5,000円が控除額です。
旧制度の計算式
2011年以前の契約は、区分ごとの上限が5万円と大きめです。
- 2万5,000円以下は全額
- 2万5,000円超〜5万円以下は保険料×1/2+1万2,500円
- 5万円超〜10万円以下は保険料×1/4+2万5,000円
- 10万円超は一律5万円
長く続けている保険がある方は、旧制度の証明書が届きます。
新旧の両方がある場合
同じ区分に新旧の契約が混ざっている方もいます。
その場合は、新制度だけ、旧制度だけ、両方を合わせた場合の3通りで計算し、一番有利になる方法を選べます。両方を合わせるときの上限は4万円です。
旧制度だけで5万円に届く方は、旧制度のみで申告するほうが有利になります。
申告書の書き方と注意点

ここからは実際の記入です。控除証明書さえ手元にあれば、書き写すだけで終わります。間違えやすいところも押さえておきましょう。
控除証明書の見方
10月ごろに届く控除証明書には、必要な情報がすべて書かれています。
- 保険会社の名前と保険の種類
- 新制度か旧制度かの区分
- 12月までの年間払込予定額
記入するのは、証明額ではなく年間払込予定額のほうです。
記入の手順
書き方は、次の順番で進めましょう。
- 控除証明書を区分ごとに分ける
- 保険会社名や保険の種類、払込額を書き写す
- 区分ごとに合計して計算式に当てはめる
- 控除証明書を申告書に添付する
最近は、勤務先のシステムに入力するだけの会社も増えています。
間違えやすいところ
相談を受けていて多いのが、次の3つの間違いになります。
学資保険を介護医療の欄に書いてしまう、証明書をなくして申告しない、家族が契約者の保険を書いてしまう、といった間違いです。控除を受けられるのは、保険料を払っている本人です。
学資保険の扱いは、学資保険 vs NISA徹底比較もあわせてご覧ください。
生命保険料控除のよくある質問

年末調整の時期によく聞かれることをまとめました。提出の前に確認してみてください。
控除証明書をなくしたときは
保険会社に連絡すれば再発行してもらえます。マイページからダウンロードできる会社も増えていますので、急ぎのときは確認してみましょう。
いくら税金が戻るのか
控除額にその人の税率をかけた分が軽くなります。所得税率10%の方が4万円の控除を受けると、所得税で約4,000円、住民税もあわせて1万円前後の負担減という計算です。
年末調整を忘れたらどうするか
確定申告をすれば控除を受けられます。翌年以降でも、5年以内ならさかのぼって手続きできます。
なお、確定申告をするとふるさと納税のワンストップ特例は無効になります。注意点はふるさと納税の始め方と注意点にまとめています。
共済の掛金も対象になるか
県民共済やこくみん共済なども、控除の対象です。共済から届く証明書を、同じように申告書に書き写しましょう。
控除のために保険に入るべきか
控除で戻る金額より、払う保険料のほうが大きくなります。必要な保障かどうかで決めるのが基本です。考え方は保険は何から考える?初心者が最初に読む基本ガイドにまとめています。
まとめ

生命保険料控除は、書けば戻る制度です。要点をまとめます。
- 控除は一般・介護医療・個人年金の3区分
- 新制度は各4万円、合計12万円が上限
- 2026年分は一般が6万円になる特例あり
- 対象は23歳未満の扶養親族がいる人
- 書くのは年間払込予定額
- 忘れても確定申告でさかのぼれる
届いた控除証明書は、年末調整まで捨てずに保管してください。書き写すだけで、税金の負担が軽くなります。

