保険料や補償内容は、保険会社や建物の条件によって異なります。加入や見直しの際は、各保険会社の最新の情報をご確認ください。

火災保険の更新案内が来たら、保険料が前より高くなっていました。見直したほうがいいのかな?

値上げが続いている今こそ、見直しどきです。賃貸と持ち家で見るところが違うので、順番に確認しましょう。
- 更新で保険料が上がった人
- 賃貸契約のときに言われるまま入った人
- 家を買ったときの保険をそのままにしている人
- 補償の中身をよく知らない人
火災保険は、賃貸の契約や住宅の購入のときに、すすめられるまま入る方がとても多い保険です。そのあと何年も中身を見ないまま、更新を続けている方も少なくありません。
ところが火災保険料は、2024年10月に大手で10%前後値上がりしました。補償を見直して比べれば、同じ安心のまま保険料を下げられることがあります。
私は保険会社に約7年勤め、AFP(ファイナンシャルプランナー)として相談を受けてきました。この記事では、賃貸と持ち家に分けて、火災保険の見直し方をお伝えします。
- 火災保険の基本と最近の値上げ
- 賃貸の火災保険の選び方
- 持ち家の火災保険の選び方
- 見落としやすい個人賠償責任特約
火災保険の基本と最近の値上げ

見直しの前に、火災保険が何を守る保険なのかを整理しておきましょう。名前のとおり火事だけの保険と思われがちですが、実際は住まいのトラブル全般に備える保険です。ここ数年は保険料の値上げが続いているため、その背景もあわせて確認していきます。
建物と家財の2つを補償
火災保険の補償は、建物と家財の2つに分かれるのが基本です。
| 補償の対象 | 中身 | 考える人 |
|---|---|---|
| 建物 | 建物そのもの、門や塀など | 持ち家の人 |
| 家財 | 家具、家電、衣類など | 賃貸と持ち家の両方 |
賃貸の方は主に家財、持ち家の方は建物と家財を考えます。住まいの形によって、見直すところが変わることを覚えておいてください。
火事以外の災害や事故も対象
火災保険は、火事以外の被害にも幅広く使えます。
- 火災、落雷、破裂、爆発
- 台風などの風災、雪災、ひょう災
- 洪水や土砂崩れなどの水災
- 水濡れ、盗難、うっかりの破損や汚損
ただし、どこまで補償されるかは契約によって違います。地震による火災や損壊は、火災保険ではなく地震保険の対象になる点にも注意が必要です。
2024年の値上げと水災の区分
火災保険料は、自然災害の増加を受けて値上がりが続いています。
保険料のもとになる参考純率は、2023年に全国平均で13.0%引き上げられました(損害保険料率算出機構)。これを受けて、2024年10月には大手損保4社が10%前後の値上げを行っています。
あわせて、水災の保険料は地域のリスクに応じて5つの区分に分かれました。住んでいる市区町村によって、同じ補償でも保険料が変わるしくみです。
賃貸の火災保険の選び方

まずは賃貸にお住まいの方向けです。賃貸の火災保険は、契約のときに不動産会社から渡された書類で、そのまま加入している方が多いと思います。けれども条件を満たせば、自分で選んだ保険に入れることがあります。確認したい3つのポイントを見ていきましょう。
自分で選べることが多い
賃貸の火災保険は、不動産会社がすすめる保険でなくてもよい場合があります。
大家さんや管理会社が求めているのは、決められた補償がついていることだからです。まずは管理会社に、保険の指定があるかどうかを確認してみましょう。
実際に自分で選び直して保険料を下げた体験は、賃貸の火災保険は自分で選べる!年6,500円節約できた話にまとめています。
借家人賠償責任は必ずつける
自分で選ぶときに外せないのが、借家人賠償責任という補償です。
火事や水漏れで借りている部屋に損害を与えたとき、大家さんへの賠償に備えるものだからです。多くの賃貸契約で、加入の条件になっています。
ただし、どんな損害でも対象になるわけではありません。ガラスを割ったときに使えなかった体験は、賃貸の火災保険を切り替えて年6,500円節約|借家人賠償の範囲も解説で紹介しています。
家財の金額を暮らしに合わせる
家財の保険金額が、今の暮らしに合っているかも確認しましょう。
一人暮らしのころに決めた金額のままだと、家族が増えたあとは足りないことがあります。反対に、持ち物が少ないのに大きな金額にしていれば、保険料を払いすぎです。
家具や家電、衣類をすべて買い直すといくらかかるかを、ざっくり考えてみてください。その金額が、家財の保険金額の目安になります。
持ち家の火災保険の選び方

次は、持ち家の方向けです。家を買うときの火災保険は、不動産会社や住宅ローンの窓口ですすめられたものに入る方が多いでしょう。同じ建物でも、保険会社や補償の組み合わせで保険料は変わります。更新のタイミングは、中身を見直す良い機会です。
必要のない補償を外す
火災保険料は、つけている補償の組み合わせで決まります。
たとえばマンションの高い階や、ハザードマップで浸水の心配が少ない土地なら、水災の補償を外せるかもしれません。自治体のハザードマップで、自宅の場所を一度確認してみてください。判断の基準は家が浸水したら火災保険は出る?水災補償の落とし穴にまとめています。
一方で、川の近くや低い土地で水災を外すのはおすすめしません。保険料だけで決めず、住んでいる場所のリスクで判断することが大切です。
保険期間は最長5年
火災保険の契約期間は、2022年10月から最長5年になりました。
それまでは最長10年まで契約でき、長く契約するほど割引が大きくなるしくみでした。今は最長でも5年ごとに更新がくるので、そのたびに値上げの影響を受けやすくなっています。
裏を返せば、5年に1回は中身を見直すチャンスがあるということです。更新の案内が届いたら、ほかの保険会社とも比べてみましょう。
一括見積もりで比べる
複数の保険会社を比べるなら、一括見積もりのサービスが便利です。
1社ずつ調べて入力するのは手間がかかりますが、一度の入力で何社かの保険料と補償をまとめて見られます。同じ補償でどれくらい差があるのかが、ひと目でわかります。
評判や申し込みの流れ、デメリットは火災保険の一括見積もりは意味ある?インズウェブの評判と流れで詳しく調べました。
見落としやすい個人賠償責任特約

賃貸でも持ち家でも、火災保険を見直すときにぜひ確認してほしい特約があります。それが個人賠償責任特約です。保険料は小さいのに、子育て中の家庭では出番が多い補償でもあります。反対に、ほかの保険とダブりやすい特約なので注意も必要です。
日常生活の賠償に備える
個人賠償責任特約は、日常生活で他人にけがをさせたり、物を壊したりしたときの賠償に備えるものです。
- 自転車で人にぶつかってけがをさせた
- 子どもがお店の商品を壊した
- 洗濯機の水漏れで下の階を汚した
こうした相手への賠償をカバーします。自分や家族のけがは対象外なので、そこは別に考えましょう。
自転車保険と重なりやすい
自転車保険に入っている方は、補償が重なっていないか確認してみてください。
自治体で義務化が進んでいる自転車保険は、個人賠償責任特約で条件を満たせることが多いからです。同じ補償に2回お金を払っていないか、証券を並べて見ると気づけます。
自転車保険が不要になるケースは、自転車保険は入らなくていい?個人賠償責任で足りるかで詳しく解説しています。
家族全員が対象になる
個人賠償責任特約は、1つの契約で家族全員をカバーできるのが一般的です。
同居の家族や、別居している未婚の子どもまで対象になる商品が多くあります。家族それぞれが別に入る必要はありません。
ただし、対象になる家族の範囲は保険会社によって少しずつ違います。契約の前に、パンフレットや重要事項説明書で確認しておきましょう。
火災保険の見直しのよくある質問

相談の場でよく聞かれる質問をまとめました。見直しの手続きに入る前に、気になるところを確認してみてください。
途中で解約するとお金は戻るか
保険料をまとめて払っている場合、多くは残りの期間に応じたお金が戻ります。新しい保険が始まる日を決めてから、古い保険を解約すると、補償が途切れません。
地震保険は必要か
地震による火災や倒壊は、火災保険だけでは補償されません。地震保険は火災保険とセットで入る保険で、保険金額は火災保険の30〜50%の範囲で決めます。住宅ローンが残っている方は、特に検討しておきたい補償です。くわしくは地震保険は必要?火災保険では出ない損害と受け取れる額をご覧ください。
住宅ローンで指定された保険は変えられるか
金融機関によっては、火災保険への加入がローンの条件になっています。ただ、保険会社まで決められていることは多くありません。変える前に、金融機関に条件を確認しておくと安心です。
保険金の請求に期限はあるか
保険金を請求できるのは、法律で原則3年以内と決まっています。台風のあとに屋根や雨どいの傷みに気づいたら、早めに保険会社へ連絡してください。被害の写真を撮っておくと、手続きがスムーズです。なお、請求期限が迫っていると急かす業者には注意してください(火災保険の申請代行は危ない)。
賃貸の更新時に保険を変えられるか
更新のタイミングで、自分で選んだ保険に切り替えられることが多いです。新しい保険の証券を管理会社に提出する場合もあるので、事前に聞いておきましょう。今の保険が自動で更新されないよう、止める手続きも忘れずに行ってください。
まとめ

火災保険は、言われるまま入るものではなく、自分で選べる保険です。値上げが続く今こそ、中身を確認してみましょう。
- 2024年10月に大手で10%前後の値上げ
- 賃貸は管理会社に保険の指定を確認
- 借家人賠償責任は必ずつける
- 持ち家は水災のリスクで補償を判断
- 更新のたびに複数社を比較
- 個人賠償責任特約の重なりを確認
まずは今の保険証券を出して、補償と保険料を確認してください。火災保険以外もまとめて見直したい方は、保険の見直しタイミングはいつ?も参考にしてください。

