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【中の人が解説】遺族年金はいくらもらえる?2028年から変わる点も解説

遺族年金がいくらもらえるかを解説するアイキャッチ画像 保険について

年金額は毎年度改定されます。この記事の金額は令和8年4月分からのものです。実際の受給額は加入歴によって変わるので、ねんきん定期便や年金事務所でご確認ください。

遺族年金があるから、生命保険はそんなに要らないと言われました。

金額を知らないまま決めるのは危険です。まず自分の家庭の額を出してみましょう。

こんな方に向けた記事です
  • 生命保険の金額を決めたい人
  • 遺族年金がいくらか知らない人
  • 自営業やフリーランスの家庭
  • 子どもが独立したあとが不安な人

生命保険をいくらにするかは、遺族年金の額が分からないと決められません。

足りない分を保険で埋めるのが基本の考え方だからです。土台が分からないまま金額を決めると、多すぎたり少なすぎたりします。

私は保険会社に約7年勤め、AFP(ファイナンシャルプランナー)として必要額のご相談を受けてきました。令和8年度の金額と計算のしかた、2028年からの見直しまでお伝えします。

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遺族年金は2階建て

遺族年金は遺族基礎年金と遺族厚生年金の2階建てであることを示すバナー画像

まず全体の形をつかみましょう。遺族年金は1つの制度ではなく、2つが積み重なっています。どちらをもらえるかは、亡くなった方の働き方しだいです。ここで会社員と自営業の差が大きく開きます。

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1階が遺族基礎年金

土台になるのが、国民年金から出る遺族基礎年金です。

会社員でも自営業でも、国民年金に入っていれば対象になります。ただし受け取れるのは、子のある配偶者か子に限られます。

子がいない家庭には出ない、という点が最初の分かれ目です。

2階が遺族厚生年金

その上に乗るのが、厚生年金から出る遺族厚生年金です。

会社員や公務員として働いていた方の遺族だけが受け取れます。自営業やフリーランスの期間しかない場合は、この2階がありません。

同じ家族構成でも、働き方によって受け取る額がまったく違ってきます。厚生年金に入る条件は106万円の壁がなくなったにまとめました。

受け取れる遺族の順番

遺族厚生年金には、受け取る人の順番が決められています。

  • 子のある配偶者
  • 子
  • 子のない配偶者
  • 父母、孫、祖父母の順

先の順位の人がいる場合、あとの順位の人は受け取れません。生計を維持されていたことも条件になります。

遺族基礎年金は子がいる間だけ

遺族基礎年金は令和8年度847300円で子がいる間だけ出ることを示すバナー画像

まずは1階部分からです。金額がはっきり決まっているので、自分の家庭の額をすぐ出せます。ただし受け取れる期間に区切りがあり、そこを知らないと将来の計画を誤ります。子が何歳までなのかを押さえておきましょう。

令和8年度は847,300円から

金額は毎年度見直され、子の人数で加算されます。

区分年額
基本の額847,300円
子の加算(1人目と2人目)各243,800円
子の加算(3人目以降)各81,300円
遺族基礎年金の額(令和8年4月分から・配偶者が受け取る場合)

子が2人なら、847,300円に243,800円を2人分足して1,334,900円です。月あたりでは約11万円になります。

子は18歳の年度末まで

ここでいう子には、はっきりした定義があります。

18歳になった年度の3月31日までが対象です。障害等級の1級か2級に当てはまる場合は、20歳未満まで延びます。

高校を出るタイミングで、加算が1人分ずつ消えていくイメージです。

子がいないと出ない

もっとも注意したいのが、ここです。

子がいない夫婦には、遺族基礎年金は1円も出ません。子が全員18歳の年度末を過ぎたあとも同じです。

末子が高校を出た時点で、この年金は終わると覚えておきましょう。

遺族厚生年金は報酬比例の4分の3

遺族厚生年金は報酬比例部分の4分の3で300月みなしがあることを示すバナー画像

次が2階部分です。こちらは給与によって額が変わるので、人それぞれ違います。計算式は決まっているので、おおよその見当はつくはずです。短く働いた方でも不利になりすぎない仕組みも用意されています。

計算のしかた

亡くなった方の老齢厚生年金の報酬比例部分を求め、その4分の3を取ります。

報酬比例部分は、平均標準報酬額に5.481を掛けて1000で割り、さらに加入月数を掛けた額です。賞与も含めた月あたりの平均額が、平均標準報酬額にあたります。

平成15年4月より前に働いていた期間があると、式が少し変わります。

300月に満たなくても300月で計算

若くして亡くなった場合には、救済の仕組みもあるのです。

加入期間が300月に満たなくても、300月として計算されます。25年働いたものとみなす扱いです。

入社から日が浅い方でも、金額が極端に小さくならずに済みます。

夫が受け取るときの条件

妻が亡くなった場合は、条件が変わります。

子のない夫が受け取れるのは55歳以上のときだけで、実際に受け取るのは60歳からです。子がいれば、遺族基礎年金とあわせて55歳から受け取れます。

この男女差は、次の章で説明する見直しで解消される予定です。

中高齢寡婦加算という上乗せ

中高齢寡婦加算は40歳から65歳まで年635500円であることを示すバナー画像

ここで、子が育ったあとの受け皿になる制度を紹介します。遺族基礎年金が終わると収入が急に減るため、それを和らげる上乗せです。名前が難しいので知られていませんが、金額は小さくありません。

40歳から65歳まで年635,500円

遺族厚生年金に上乗せされる形で支払われます。

令和8年度の額は年635,500円で、月あたり約5万3千円です。40歳から65歳になるまでのあいだ続きます。

65歳からは自分の老齢基礎年金が始まるため、そこで役目を終えます。

対象になる条件

受け取れるのは、次のどちらかに当てはまる妻です。

  • 夫が亡くなったとき40歳以上65歳未満で子がいない
  • 遺族基礎年金を受けていたが、子が育って受けられなくなった

名前のとおり妻が対象で、夫には同じ仕組みがありません。遺族厚生年金を受けていることが前提になります。

自営業には上乗せがない

ここでも働き方の差が出ます。

遺族厚生年金がない家庭は、この上乗せも受けられません。子が育った時点で、遺族年金が完全にゼロになります。

自営業のご家庭ほど、民間の保険で備える必要が大きくなります。

モデルケースでいくらになるか

会社員と自営業で遺族年金の額がどれだけ違うかを示すバナー画像

数字を当てはめてみましょう。ここでは年収500万円の夫が亡くなり、妻と小学生の子が2人という家庭で考えます。会社員の場合と自営業の場合を並べると、差がはっきり見えます。金額はあくまで目安です。

会社員なら月15万円ほど

賞与を含めた月あたりの平均を41万円として計算します。

内訳年額
遺族基礎年金(子2人)1,334,900円
遺族厚生年金約505,000円
合計約1,840,000円
会社員の夫が亡くなった場合の目安(月あたり約15万円)

遺族厚生年金は、41万円に5.481を掛けて1000で割り、300月を掛けた額の4分の3です。平成15年4月以降の期間だけで計算した目安になります。

自営業なら月11万円ほど

同じ家族構成でも、自営業だと2階部分がありません。

受け取れるのは遺族基礎年金の1,334,900円だけです。会社員の家庭と比べて、年間50万円ほど少なくなります。

この差が、子が独立したあとにさらに広がります。

子が独立したあとの落差

下の子が高校を出た時点で、遺族基礎年金は終わりです。

働き方子がいる間子が独立したあと
会社員月約15万円月約9万5千円
自営業月約11万円0円
子の独立で受け取る額がどう変わるか(目安)

会社員の妻には中高齢寡婦加算が付くため、月9万5千円ほどが残ります。自営業の家庭はゼロになるので、そこを保険で埋める設計が必要です。

2028年から変わること

2028年から子のない配偶者の遺族厚生年金が原則5年になることを示すバナー画像

ここからはこれからの話です。2025年に年金制度の改正法が成立し、遺族厚生年金の仕組みが見直されます。長く続いた男女の差をなくす内容ですが、受け取る期間が短くなる方も出ます。自分が当てはまるか確かめておきましょう。

男女の差をなくす見直し

今は、夫が受け取る場合だけ55歳以上という条件があります。

この差をなくし、男女で同じ扱いにするのが見直しの柱です。施行は2028年4月の予定で、男性は同じ時期から、女性は20年かけて段階的に変わります。

女性に時間をかけるのは、急な変化を避けるためです。

子のない配偶者は原則5年

変わるのは、18歳年度末までの子がいない配偶者の扱いです。

受け取れる期間が、原則5年の有期給付になります。施行の直後に対象となる女性は、2028年度末で40歳未満の方です。

子どもがいるご家庭は、この見直しの対象ではありません。

有期給付加算で1.3倍に

期間が短くなるかわりに、金額は増えます。

有期給付加算という上乗せが付き、今の遺族厚生年金の約1.3倍になる見込みです。短い期間に手厚く渡し、生活の立て直しを支える考え方です。

とはいえ5年で終わるので、その後の備えは自分で用意することになります。

遺族年金のよくある質問

遺族年金に関するよくある質問をまとめたバナー画像

相談の現場でよく聞かれることをまとめました。気になる項目から確認してみてください。

今は自営業でも厚生年金の期間があれば

会社員として働いた期間があれば、その分の遺族厚生年金を受け取れる可能性があります。ねんきん定期便で加入の記録を確かめてみてください。

妻が亡くなったとき夫はもらえるか

子がいれば、夫も遺族基礎年金を受け取れます。子がいない場合は55歳以上という条件があり、受け取るのは60歳からです。

再婚したらどうなるか

再婚すると、受け取る権利がなくなります。事実上の婚姻関係も同じ扱いになるので、手続きの前に確認しておきましょう。

遺族年金に税金はかかるか

遺族年金は非課税で、所得税も住民税もかかりません。確定申告に含める必要もないので、受け取った額がそのまま使えます。

働き始めたら止まるのか

生計を維持されていたかどうかは、亡くなった当時の状況で判断されます。そのあとに働き始めても、それだけで止まることはありません。

まとめ

遺族年金を計算してから保険の金額を決めることをすすめるバナー画像

遺族年金の額が分かると、保険で埋める金額も決まります。要点を振り返りましょう。

この記事のまとめ
  • 遺族基礎年金は子がいる間だけ
  • 令和8年度は847,300円と子の加算
  • 遺族厚生年金は報酬比例の4分の3
  • 中高齢寡婦加算は年635,500円
  • 自営業は子の独立でゼロになる
  • 2028年から子のない配偶者は原則5年

足りない分の埋め方は、収入保障保険とは?月いくら必要かを中の人が解説にまとめています。住宅ローンがある方は団信があれば生命保険はいらない?もあわせてどうぞ。

まずはご自身の家庭の遺族年金を計算してみてください。そこから生活費を引いた差が、保険で用意すべき金額になります。

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