いつもお読みいただき、ありがとうございます。 本記事では、骨折の治療で入れたボルトを抜く「抜釘(ばってい)手術」とその入院が、医療保険で請求できるかどうかについて解説します。 読了時間の目安は約4分です。
今回の相談事例
転倒による骨折で入院し、ボルトを入れる手術をしました。 1年後に、そのボルトを抜く「抜釘手術」のための入院があります。 抜釘のための入院と手術は請求できますか?
骨折の手術でボルトやプレートを入れた場合、骨がくっついた後に取り出す手術(抜釘手術)を受けることがよくあります。「ケガの治療の続きだから当然請求できるのでは?」と思われがちですが、実はご加入の保険のタイプによって扱いが変わってきます。
結論:早見表
| 請求項目 | 請求できる可能性 | ポイント |
|---|---|---|
| 抜釘手術の手術給付金 | ○ 保険のタイプによる | 「手術料として算定される手術が対象」の保険なら見込みあり |
| 〃(88種類タイプの保険) | × 対象外 | 昔の「約款所定の88種類」タイプでは対象外 |
| 抜釘のための入院給付金 | ◎ 高い | ただし「災害入院」ではなく「疾病入院」での請求 |
それぞれ詳しく見ていきましょう。
抜釘手術は「骨内異物除去術」として算定されることが多い
抜釘手術は、公的医療保険(診療報酬)の上では「骨内異物(挿入物)除去術」として算定されることが多い手術です。
そして骨内異物除去術は、医科診療報酬点数表で「手術料」として算定される手術にあたります。
保険のタイプによって対象かどうかが分かれます
医療保険の手術給付金には、大きく分けて2つのタイプがあります。
| 保険のタイプ | 抜釘手術(骨内異物除去術) |
|---|---|
| 手術料算定タイプ 「医科診療報酬点数表で手術料として算定される手術が対象」 | ○ 請求できる見込みあり |
| 88種類タイプ 「約款に定める88種類の手術に該当すれば対象」(かなり以前の保険に多い) | × 対象外 |
比較的新しい医療保険の多くは「手術料算定タイプ」です。このタイプであれば、抜釘手術も手術給付金の請求見込みがあります。
一方、かなり以前に加入した「88種類タイプ」の保険では、骨内異物除去術(抜釘)は約款所定の88種類に含まれないため、残念ながら手術給付金の対象外となります。
ご自身の保険がどちらのタイプかは、保険証券や約款の「手術給付金」の項目で確認できます。わからない場合は、保険会社に問い合わせるのがよいでしょう。
入院給付金は「疾病入院」として請求できる可能性が高い
手術給付金が対象外のタイプでも、あきらめるのはまだ早いです。抜釘のための入院については、入院給付金を請求できる可能性が高いです。
ここでひとつ注意点があります。「転倒によるケガの治療なのだから、災害(ケガ)入院では?」と思われるかもしれませんが、実は疾病入院としての請求になります。
なぜ「災害入院」ではなく「疾病入院」なの?
多くの保険では、災害入院給付金の支払事由に次のような条件が定められています。
不慮の事故の日からその日を含めて180日以内に開始した入院であること
今回の事例では、骨折(不慮の事故)から1年後の入院です。事故日から180日を超えているため、災害入院給付金の条件には当てはまりません。
【事故日からの経過日数と入院の扱い】
事故日 ──180日以内──│── 180日超 ────→
災害入院として│疾病入院として
請求 │ 請求
↑
今回の抜釘入院(1年後)はこちら
その代わり、180日を過ぎてからの入院は疾病入院給付金の対象として請求できる可能性が高いのです。「災害入院で限度日数まで請求した」というケースでも、疾病入院として請求し直せる場合がありますので、覚えておくとよいでしょう。
請求前に確認したい3つのポイント
- 保険のタイプの確認 保険証券や約款で、手術給付金が「手術料算定タイプ」か「88種類タイプ」かを確認しましょう。
- 手術の正式名称の確認 病院の診断書などで、抜釘手術が「骨内異物(挿入物)除去術」として算定されているか確認できると安心です。
- 入院給付金の請求区分 事故日からその日を含めて180日経過後に始まった入院は、「疾病入院」として請求することを忘れないようにしましょう。
まとめ
- 抜釘手術は「骨内異物除去術」として手術料が算定されることが多い手術です
- 「手術料として算定される手術が対象」の保険なら、手術給付金の請求見込みがあります
- かなり以前の「88種類タイプ」の保険では、抜釘手術は手術給付金の対象外です
- 入院については、事故日から180日を超えているため「疾病入院」として請求できる可能性が高いです
なお、実際に給付金が支払われるかどうかは、ご契約の約款の内容や保険会社の判断によって異なります。請求前に、ご加入の保険会社や担当者に確認することをおすすめします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。この記事が、給付金請求のお役に立てばうれしいです。

