この記事は一般的な医療保険の考え方をもとにまとめています。対象になる手術は商品によって大きく異なります。ご自身の契約については、約款と保険会社にご確認ください。

狭心症は三大疾病では出ないと聞きました。何も請求できないのでしょうか。

三大疾病と医療保険は別の話です。医療保険のほうを確かめましょう。
- 三大疾病と医療保険で結論が違う理由
- ステント治療が対象になる条件
- 加入した時期で結論が変わらない理由
- 回数の制限に気をつける理由
狭心症と診断されると、保険のことが気になると思います。
三大疾病で出なくても、医療保険からは請求できることがあります。別の契約として判定されるからです。
私は保険会社に約7年勤め、AFP(ファイナンシャルプランナー)として相談を受けてきました。どこを見れば分かるかをお伝えします。
狭心症は三大疾病の一時金では出ない

まず、出ないほうをはっきりさせておきましょう。ここで多くの方ががっかりされます。
対象は急性心筋梗塞だけ
三大疾病の一時金が対象にしているのは、がん、急性心筋梗塞、脳卒中の3つです。
狭心症はこの3つに含まれません。同じ心臓の病気でも、約款のうえでは別物として扱われます。
同じ治療でも病名で分かれる
狭心症でも心筋梗塞でも、ステントを入れる治療自体は同じことがあります。
それでも診断書に書かれた病名が狭心症なら、一時金は支払われません。条件のくわしい中身は三大疾病の一時金は本当に出る?にまとめました。
ここであきらめないこと
一時金が出ないと言われた時点で、請求をやめてしまう方がいます。
けれども医療保険は別の契約です。入院と手術の2つを、あらためて確かめてみましょう。
医療保険の手術給付金は対象になる

ここからが本題です。医療保険の手術給付金には、別の判定基準があります。
正式な手術名を確かめる
ステントを入れる治療は、経皮的冠動脈ステント留置術といいます。
風船で広げる場合は、経皮的冠動脈形成術です。どちらも公的医療保険が使える治療です。
請求の前に、診療明細書でこの名前を確かめておきましょう。
カテーテル治療でも手術にあたる
皮膚を大きく切らないため、手術ではないと思われがちです。
けれども保険のうえでは、立派な手術として扱われます。切ったかどうかで決まるわけではありません。
免責手術の一覧には入っていない
医療保険が対象から外している手術は、だいたい決まっています。
- 創傷処理(切り傷の縫合など)
- 皮膚切開術(おできの切開など)
- デブリードマン
- 抜歯手術
- 骨や関節の非観血的な整復術
ステント留置術も形成術も、この顔ぶれには入っていません。免責の中身はけがを縫う手術は給付金が出ない?で解説しています。
古い保険でも新しい保険でも出る

加入した時期で結論が変わるのではないか、と心配される方が多いところです。
88種類タイプの一覧にも載っている
かなり前に加入した88種類タイプでも、この2つを一覧に挙げている商品があります。古い保険を残すか迷う方は古い保険は解約していい?をご覧ください。
カテーテルによる治療が広まるにつれて、一覧に加えられてきたのでしょう。
手術料算定タイプは公的保険に連動
新しいタイプは、公的医療保険で手術料が算定される手術を対象にしています。
ステント治療は手術料が算定されるので、こちらも対象です。
タイプの違いそのものは、手術給付金の対象になる手術・ならない手術にまとめました。
対象外と言われたら理由を聞く
それでも出ないと言われることがあります。
その場合は手術そのものではなく、次に説明する回数の制限が理由かもしれません。
| 保険のタイプ | ステント治療の扱い |
|---|---|
| 88種類タイプ | 一覧に載っていれば対象 |
| 手術料算定タイプ | 手術料が算定されるので対象 |
回数の制限にも気をつける

対象だとわかっても、受けた回数どおりに出るとは限りません。
60日に1回という決まり
多くの約款では、同じ種類の手術に期間の区切りを設けています。
1回目の実施日から60日間は、給付金が1回分だけという取り扱いです。
何本も入れたときの扱い
狭心症では、日をあらためて2回目や3回目の治療を受けることがあります。
60日以内なら1回分、60日を過ぎていればまた対象になることもあります。考え方は白内障手術と保険請求と同じです。
それでも請求はしておく
判定は保険会社が行うので、自分で諦める必要はありません。
2回目以降も、まずは請求書類を出してみましょう。
入院給付金は病名を問わず対象

手術のほうが対象外でも、入院のほうはあきらめなくて大丈夫です。
治療目的の入院なら出る
入院給付金は、治療を目的とした入院であれば病名を問いません。
狭心症の治療で入院したなら、日数に応じて支払われます。条件は入院給付金の2つの条件と4つの事例をご覧ください。
入院は数日で終わることが多い
ステント治療の入院は、2日から4日ほどで終わることがよくあります。
日額5,000円の契約で3日なら、入院給付金は1万5,000円です。手術給付金に比べると、金額は小さめでしょう。
窓口の負担には上限がある
ステント治療は費用が高く、3割負担でも数十万円になるケースがあります。
ただし高額療養費があるので、1か月の自己負担には上限が設けられています。計算は高額療養費制度とはにまとめました。
心疾患をまとめて保障する商品もある

三大疾病という名前でなくても、狭心症を含む保障があります。
心疾患という広いくくり
急性心筋梗塞だけでなく、心疾患全体を対象にする特約があります。
この形なら、狭心症や不整脈も対象に入ります。
名前だけで判断しない
証券に三大疾病と書かれていても、特約の名前は別のことがあります。
付けた覚えがなくても、最初から入っている保障もあります。
まとめて問い合わせる
証券番号を手元に用意して、コールセンターへ聞くのが一番早い方法です。
狭心症で治療を受けたと伝え、請求できるものをすべて挙げてもらいましょう。
狭心症と保険のよくある質問

相談の現場でよく聞かれることをまとめました。気になる項目から読んでみてください。
カテーテル検査だけでも出るか
検査だけなら手術給付金は出ません。
治療を伴わない検査入院は、入院給付金の対象にもなりません。
バイパス手術なら対象か
胸を開いて行う冠動脈バイパス術は、どちらのタイプでも対象になるのが基本です。
免責の一覧に入っていることは、まずありません。
狭心症の後に保険へ入れるか
告知の対象になるため、条件が付くことが多くなります。
断られても会社によって判断が違うので、1社で決めつけないようにしましょう。
対象外と言われたら確かめること
約款のどの条文による判断かを聞いてみてください。
免責手術の一覧にあるのか、回数の制限なのかで、次にできることが変わります。
何年も前の治療でも請求できるか
約款でさかのぼれるのは3年ですが、必要な書類がそろえば、3年以上たっても請求できるのが基本です。
まずは保険会社に連絡して、何が必要かを聞いてみましょう。
まとめ

要点を振り返りましょう。
- 狭心症は三大疾病の一時金では出ない
- 医療保険の手術給付金は別に判定する
- 免責手術の一覧には入っていない
- 古い保険でも新しい保険でも対象
- 60日に1回という制限に注意する
- 入院給付金は病名を問わず対象
心臓のカテーテル治療は、どちらのタイプでも出るのが基本です。
出ないと言われたときは、手術の種類ではなく回数の制限を確かめてみてください。

