医療保険に加入している方から、「1日に2回手術を受けた場合や、同じ月の中で2回手術を受けた場合、給付金はどうなるの?」というご相談をいただくことがあります。
今回は、複数回の手術における保険請求の仕組みと、最近増えている「支払い制限」について解説します。
結論:同日の手術は1回分のみ支払いとなる
まず、多くの医療保険に共通する基本ルールです。
たとえ1日に2回手術を受けたとしても、原則として1回分のみしか支払い対象になりません。
多くの約款には以下のように書かれています。
「時期を同じくして(同一の機会に)2種類以上の手術を受けた場合には、手術給付金の対象となる手術のうち、給付倍率の高いいずれか1種の手術についてのみお支払いします。」
つまり、「同じタイミングでまとめて行った手術は、一番高い給付金額のものを1つ選んで支払います。」ということです。
最近の保険に多い「月につき1回」という制限
ここで注意が必要なのが、最近の医療保険に見られる新しい支払い基準です。
従来の「手術1回につき〇円」という形ではなく、以下のような条件がついている商品が増えています。
「手術給付金の支払事由に該当する月につき1回」
このタイプの場合、同日かどうかに関わらず、同じ月(カレンダー上の1ヶ月)の中に受けた手術は、何回受けても1回分しか請求できないことになります。
例えば、
- 10月1日に手術
- 10月20日に別の手術
を受けたとしても、給付金は1回分のみとなります。
【例外】別々に請求できる可能性があるケースとは?
「同日だから1回分しか出ない」と言われた場合でも、諦めるのはまだ早いかもしれません。ポイントは「手術室を一度出ているか」です。
以下のようなケースでは、「別の機会の手術」として2回分請求できる可能性があります。
- 一度目の手術が無事に終了し、手術室を出て病室に戻った。
- しかし、その後、容体が急変して数時間後に再び手術室へ運ばれ、別の手術を行った。
一度手術を終えて手術室を出ているという事実があれば、「同一の機会」ではなく「別々の機会」の手術とみなされることがあるのです。
損をしないためのアドバイス:保険会社への伝え方
もし同日に複数回の手術を受けたり、同じ月に何度も手術をすることになった場合は、以下の対応を心がけましょう。
① 約款の「支払い条件」をチェックする
自分の保険が「同一の機会」で制限されているのか、「月につき1回」で制限されているのかを確認しましょう。
② 保険会社に詳細な状況を伝える
特に同日の再手術などの場合は、
- 「一度手術が終わって手術室を出たこと」
- 「その後、急変して再度手術が必要になったこと」
をしっかりコールセンターの担当者に伝えてください。
③ 診断書の内容を確認する
医師に診断書を書いてもらう際、手術が別々の経緯で行われたことがわかるように記載してもらうのがスムーズです。
まとめ
同じ日の手術は、一般的に「給付倍率の高い手術1つのみ」の支払いとなります。また、最新の保険では「月1回まで」という制限があることも珍しくありません。
しかし、一度手術室を出た後の急変による再手術など、状況によっては別々に受け取れる可能性もあります。「どうせ無理だろう」と決めつけず、まずは当時の状況を正確に保険会社へ伝えて問い合わせることが、給付金を受け取り損ねないための大切な一歩です。
※この記事は一般的な保険の仕組みを解説したものです。実際の支払可否は、加入している保険商品の約款や医師の診断内容によって異なります。詳細は必ずご加入中の保険会社へご確認ください。

