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けがを縫う手術は給付金が出ない?新しい保険ほど厳しい理由

けがを縫う手術で給付金が出るかどうかを解説するアイキャッチ画像 保険について

この記事は一般的な医療保険の約款の考え方をもとにまとめています。免責の範囲や給付の条件は商品によって異なります。ご自身の契約については、約款と保険会社にご確認ください。

転んで額を5針縫いました。手術なので給付金が出ますよね。

それが出ないのです。縫う処置は、多くの約款で免責になっています。

この記事でわかること
  • 縫う処置が出ない理由
  • 古い保険なら出ることがある話
  • 診療明細書で確かめる場所
  • ほかに使える保障

けがで何針も縫えば、誰でも手術を受けたと感じます。

ところが医療保険では、縫う処置は給付の対象から外されています。知らずに請求して断られる方が多い場面です。

私は保険会社に約7年勤め、AFP(ファイナンシャルプランナー)として相談を受けてきました。なぜ出ないのか、例外はあるのかをお伝えします。

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けがを縫っても出ないことが多い

けがを縫う処置は創傷処理と呼ばれ多くの約款で免責になることを示すバナー画像

先に結論です。期待させたまま読み進めてもらうのは申し訳ないので、ここに書いておきます。そのうえで、理由と例外を見ていきましょう。

創傷処理という名前がつく

けがで縫う処置には、決まった呼び名があります。

公的医療保険のうえでは、創傷処理と呼ぶのが正式です。診療明細書にも、手術の欄にこの名前が印字されます。

この名前が、給付されるかどうかを分ける鍵です。

約款に免責として書かれている

医療保険の約款には、給付しない処置が並んだ欄が設けられています。

創傷処理は、その免責のリストに名指しで載っています。手術として算定されていても対象外という扱いです。

ただし免責になるのは、けがの傷に対する創傷処理です。治療で入れたカテーテルを抜くときの創傷処理などは、けがの処置ではないので対象になります。心臓のカテーテル治療そのものの扱いは狭心症でステントを入れたら保険は出る?をご覧ください。

なぜ外されているのか

理由は、発生する頻度と負担の大きさです。

縫う処置は日常的に起こり、費用も比較的小さく済みます。すべてを給付の対象にすると、保険料にはね返ってしまうのです。

抜歯やほくろ除去が外されているのも、同じ考え方によります。

約款のタイプで結論が変わる

手術料算定タイプは名前で88種タイプは手術の中身で判断することを示すバナー画像

ここからが本題です。出ないと書きましたが、すべての契約で同じではありません。加入した時期によって、判断の仕方そのものが違います。

手術料算定タイプは名前で判断

比較的新しい医療保険に多いタイプです。

公的医療保険で手術料が算定される診療行為を、給付の対象とします。ただし免責のリストに載っているものは除く、という書き方になっています。

診療明細書に印字された名前が、そのまま判断材料になるわけです。

88種タイプは手術の中身で判断

10年以上前の契約に多いのが、こちらです。

88種類の手術を一覧で並べ、そこに当てはまるかどうかで判断します。診療報酬の名前ではなく、手術の中身を見る形です。

この違いが、あとで大きな差を生みます。

自分の契約がどちらか確かめる

見分け方はそれほど難しくありません。

約款に88種類や99種類という数字と手術の一覧があれば、後者のタイプです。公的医療保険制度における手術料の算定対象という文言があれば、前者になります。

2つのタイプの違いは手術給付金の対象になる手術でも解説しています。

筋肉や腱まで達した傷はどうなるか

深い傷でも創傷処理と算定されれば新しい保険では免責になることを示すバナー画像

深い傷なら出るのではないか。そう考えるのが自然だと思います。ところが、ここで予想外のことが起きます。

創傷処理のままなら免責が続く

深さによって、手術の名前が変わるとは限りません。

創傷処理には、筋肉や臓器に達するものという区分がもともと用意されています。つまり深い傷を縫っても、名前は創傷処理のままです。

名前で判断する以上、手術料算定タイプでは免責のままになります。

88種タイプなら対象になりうる

一方で、古いタイプは結論が変わります。

88種類の一覧には、筋肉や腱や靭帯に対する観血手術という項目があります。実際にそこまで縫っていれば、該当する可能性があります。

名前ではなく中身で見るタイプだからこそ、拾えるわけです。

新しい保険ほど厳しくなる

まとめると、こういう形になります。

約款のタイプ皮膚だけ縫った筋肉や腱まで達した傷
手術料算定タイプ出ない創傷処理と算定されれば出ない
88種タイプ出ない対象になりうる
縫う処置の扱い(一般的な約款の考え方をもとに作成)

古い契約のほうが有利になる、めずらしい場面です。ほかに古いほうが有利になる場面は古い保険は解約していい?にまとめています。

診療明細書で確かめる

診療明細書の手術の欄に創傷処理と書かれているか確かめることを示すバナー画像

判断の材料は、病院が出す書類にあります。会計のときに受け取っているはずなので、探してみてください。見る場所は1か所だけです。

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手術の欄にある名前を見る

診療明細書には、受けた処置の名前がそのまま並んでいます。

手術という区分のところに、創傷処理と書かれていないか探してください。長径や筋肉に達するといった言葉が添えられていることもあります。

ただし同じ創傷処理でも、けがの処置かどうかで結論は変わるのです。

別の手術名なら対象の可能性

創傷処理ではない名前が書かれていることもあります。

腱縫合術などの名前で算定されていれば、免責にあたらず給付の対象になります。同じ傷でも扱いが変わります。

自分で判断がつかなければ、名前を読み上げて保険会社に聞けば十分です。

捨ててしまった場合

手元に残っていなくても、あきらめなくて大丈夫です。

病院は診療の記録を5年ほど保管しています。窓口で事情を伝えれば、再発行してもらえることがあります。

再発行には手数料がかかる場合があるので、先に確認しておきましょう。

ほかにも出ない処置がある

皮膚切開術やデブリードマンやギプス固定も免責になることを示すバナー画像

免責になるのは縫う処置だけではありません。同じ理由で外されているものがいくつかあります。知っておくと、無駄な期待をせずに済みます。

皮膚切開術とデブリードマン

よく一緒に並んでいるのが、この2つです。

おできを切開する皮膚切開術と、壊死した組織を取り除くデブリードマンも、多くの約款で免責とされています。

切ったから手術、とはならないということです。

ギプスや整復も対象外

骨折のときに意外と知られていない点です。骨折全体で何が出るかは、骨折で保険はいくら出る?出る人と出ない人の分かれ目にまとめました。

切らずに骨を戻す非観血的整復術や固定術も、免責に含まれます。手術をして骨を固定した場合とは扱いが違います。

骨折まわりの請求はその入院、保険は出るもあわせてご覧ください。

免責の範囲は会社で少し違う

すべての保険会社で同じではありません。

免責として並べる処置の種類は、商品ごとに少しずつ違います。ある会社では外れているものが、別の会社では対象のこともあります。

だからこそ、人から聞いた話で判断しないほうが安全です。

それでも出る可能性があるもの

通院の特約や傷害保険や子どもの医療費助成が使えることを示すバナー画像

手術給付金が出なくても、受け取れるお金が残っていることがあります。けがをしたときに忘れられがちな3つを見ていきましょう。

通院の保障が付いていないか

縫ったあとは、抜糸や消毒で何度か通うことになります。

通院の特約が付いていれば、その日数分が対象になる場合があります。ただし入院を前提とする条件が付いていることも多いので、確認が必要です。

証券の特約欄を見れば、付いているかどうかが分かります。

傷害保険は扱いが違う

医療保険とは別の保険も見てみましょう。

けがに備える傷害保険は、医療保険とは給付の条件が異なります。自転車保険や共済に付いていることもあります。

加入している覚えがなくても、火災保険の個人賠償責任とあわせて確認してみてください。

子どもなら医療費助成がある

お子さんがけがをした場合は、公的な助成が効きます。

自治体のこども医療費助成で、窓口の負担が無料か少額になります。そもそも出ていくお金が小さいので、給付金が出なくても困りにくいはずです。

助成の仕組みは子どもに医療保険は必要かで解説しています。

けがを縫ったときのよくある質問

けがを縫ったときの保険に関するよくある質問をまとめたバナー画像

相談の現場でよく聞かれることをまとめました。気になる項目から確認してみてください。

何針縫ったかで変わるか

針の数では決まりません。創傷処理として算定されている限り、3針でも20針でも扱いは同じです。

傷の長さで点数が決まるため、何針縫ったかは保険会社も見ていません。

入院したら出るか

入院給付金は、手術給付金とは別の保障です。縫う処置が免責でも、入院した日数分は請求できます。

顔を縫って痕が残ったら

医療保険では扱いません。後遺障害を保障する傷害保険や、相手がいる事故なら賠償の問題になります。

仕事中や通勤中のけがは

労災保険の対象になります。医療保険とは別の手続きになるので、まず勤め先に報告しましょう。

断られて納得できないときは

約款のどの条項による判断かを聞いてみてください。それでも納得できなければ、給付金が支払われないときにできることをご覧ください。

まとめ

保険料の安さだけで乗り換えず免責の欄まで見比べることをすすめるバナー画像

要点を振り返りましょう。

この記事のまとめ
  • 縫う処置は創傷処理と呼ばれる
  • 多くの約款で免責に並んでいる
  • 深い傷でも名前が変わらなければ免責
  • 88種タイプなら対象になりうる
  • 診療明細書の手術の欄を見る
  • 入院したなら入院給付金は請求できる

新しい保険ほど、この部分は厳しくなっています。古い契約を持っている方は、思わぬところで助かることがあります。

保険料の安さだけで乗り換えると、こうした違いを見落とします。見直しのときは免責の欄まで見比べてみてください。

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