生命保険の死亡保険金や、入院・手術などの給付金をいざ請求しようとしたとき、「指定されていた受取人がすでに亡くなっていた!」というケースは実は少なくありません。
「受取人がいない場合、このお金は誰のところへ行くの?」
「遺言書があればそれに従うの?」
実はこれ、「受取人がいつ亡くなったのか」によって、「誰が受け取る権利を持つのか」が全く異なります。
この記事では、実際に請求が発生した際に受取人が亡くなっていた場合のルールについて、タイミングやケース別にわかりやすく解説します。
最大のポイントは「受取人が亡くなったタイミング」
保険金や給付金の受取人が亡くなっていた場合、最も重要になるのは「請求事由(被保険者の死亡や入院など)が発生する前か、後か」という点です。
タイミングによって、「誰が受け取るか」はもちろん、「遺言書が有効かどうか」まで変わってきます。大きく分けて以下の2つのパターンを見ていきましょう。
パターン① 請求事由が発生する「前」に受取人が亡くなっていた場合
まずは、被保険者が亡くなる(または入院するなどの請求事由が発生する)前に、指定されていた受取人がすでに亡くなっていたケースです。
権利は「受取人の法定相続人」へ(固有財産)
この場合、受け取る権利は「受取人が亡くなった時点での、その受取人の法定相続人」に全員均等に移ります。
これは相続財産としてではなく、法定相続人それぞれの「固有財産(固有の権利)」として扱われます。
【要注意】この場合、受取人の「遺言」は無効!
固有財産として扱われるため、もし受取人が生前に「自分が受け取る予定の保険金は〇〇に譲る」といった遺言を残していたとしても、その遺言は無効となります。あくまで、受取人が亡くなった時点の法定相続人が受け取る権利を持ちます。
パターン② 請求事由が発生した「後」または「同時」に受取人が亡くなった場合
次に、被保険者が亡くなるなどの請求事由が発生した後、手続きをする前に受取人が亡くなってしまった場合、あるいは事故などで同時に亡くなった場合のケースです。
まずは「遺言」が最優先される
パターン①とは異なり、この場合は保険金・給付金を受け取る権利が「受取人の相続財産」として扱われます。
そのため、受取人が公正証書遺言などの正式な遺言書を残していた場合は、その遺言の内容が最優先され、遺言で指定された人が受け取ることになります。
遺言がない場合は?
もし遺言書が残されていない場合は、通常の相続と同じように「受取人の法定相続人の相続財産」となり、法定相続人の間でトラブルがなければ、法定相続人の中の1人を代表受取人として、代表受取人が受け取るのが一般的です。
特殊なケース!被保険者=受取人で、保険金と給付金が同時に発生した場合
もう一つ、よくある少し複雑なケースをご紹介します。
例えば、「被保険者本人」が給付金(入院給付金など)の受取人になっており、入院の末に亡くなってしまったため、「死亡保険金」と「入院給付金」の請求事由が同時に発生したような場合です。
このとき、誰が受け取るかは「保険の約款」の規定に従います。
【よくある約款の規定】
保険の約款に「保険金の受取人が法定相続人となっている場合は、その保険金受取人に給付金も支払う」と規定されていることが多くあります。
この一文がある場合は、給付金も死亡保険金と同じ法定相続人がまとめて受け取る流れになります。必ずお手元の保険証券や約款を確認してみましょう。
複雑な保険のルール、悩んだらプロに相談を!
いかがでしたか?受取人が亡くなっている場合の保険金・給付金の行方は、「いつ亡くなったのか」「遺言の有無」「約款の規定」などによって大きく変わります。
「自分の家族のケースでは誰が受け取るの?」
「トラブルにならないよう、今のうちに受取人を見直しておきたい」
そう思われた方は、一度保険のプロに契約内容の確認と見直しを相談することをおすすめします。受取人の変更手続きなども、プロのサポートがあればスムーズです。
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まとめ
- 請求事由発生「前」に受取人が死亡:受取人の法定相続人の固有財産となる(遺言は無効)。
- 請求事由発生「後」または「同時」に受取人が死亡:受取人の相続財産となる(正式な遺言があれば優先、なければ法定相続人へ)。
- 被保険者(受取人)死亡で保険金・給付金が同時発生:保険の約款の規定に注意。
いざという時に大切な家族が困らないよう、保険の受取人設定は定期的に見直しておくことが大切です。ぜひこの機会に、ご自身の保険証券をチェックしてみてくださいね!

