弁護士と夫の話し合い
契約後、早速弁護士さんから夫へのアプローチが始まりました。
- 今後の連絡は、すべて弁護士を通すこと
- 私や子どもたちへの直接の接触は控えること
- 離婚成立までの生活費(婚姻費用)について
弁護士さんから夫へ、これらの要件を伝える手紙が送られ、電話でのやり取りがスタートしました。
自分が矢面に立たなくていい。
この安心感は、本当に大きなものでした。
いつ鳴るか分からない電話に怯えることも、無視され続けるLINEに心をすり減らすこともない。
やっと、夜に少しだけ眠れるようになった気がしました。
婚姻費用について
「婚姻費用」を知らないと、100万円以上損するかも?
婚姻費用、聞き慣れない言葉ですよね。私も知りませんでした。でも、これは離婚を考える上で絶対に知っておくべき、超重要なお金の話です。
「婚姻費用」とは、離婚が成立するまでの間の生活費のこと。
たとえ別居していても、法律上の夫婦である限り、収入の多い方は少ない方に対して、自分と同じレベルの生活ができるよう生活費を支払う義務があるんです。
では、一体いくらもらえるのか?
これは感情論ではなく、裁判所が公表している「婚姻費用算定表」という基準に基づいて、夫婦双方の収入から機械的に計算されます。
【例えば、当時の私たちの場合でシミュレーションすると・・】
- 夫の収入: 月40万円、年収 約480万円
- 私の収入: 新しい仕事が決まり、月収 約18万円(年収 約216万円)
- 子ども: 2人(小学生)
この条件を算定表に当てはめると、夫が私に支払うべき婚姻費用の相場は…
月額 8万円~10万円
になります。
私が働き始めたことで金額は少し下がりますが、それでも法律で認められた正当な権利です。
もし離婚までに1年かかるとすれば、総額で96万円~120万円。
大きなお金ですよね!
深夜1時、暗闇に響いた物音
しかし、そんな平穏は一瞬で打ち砕かれました。
弁護士さんに依頼して数日後の夜のことです。
仕事の疲れもあり、子どもたちを寝かしつけ、私も眠りについていました。
深夜1時頃。ふと、リビングの方から聞こえるガサゴソという物音で目が覚めました。
泥棒…?
心臓が凍りつき、息を殺して耳を澄ますと、その物音は寝室のすぐ近く、押し入れの中から聞こえてきます。
恐怖で体が動かない中、暗闇に浮かび上がった人影。
それは、家を出ていったはずの夫でした。
押し入れを漁るその姿に、私は恐怖と怒りで声が震えました。
「…何してるの?」
振り向いた夫は、悪びれる様子もなくこう言いました。
「自分の荷物、取りに来ただけ。」
話し合いにならない
合鍵を使って、深夜に、寝ている家に忍び込んでくる。
その異常な行動に恐怖を感じながらも、私はこの機会に話さなければと思いました。
何度も車との間を往復し、荷物を運び出す夫の背中に、私は必死に訴えました。
「お金も車も全部持って行かれて、私たちがどれだけ困ったか分かってる?あなたが子どもにひどい言葉を投げかけたせいで、どれだけ子どもが悲しんでいるか分かってるの?」
そして、一番聞きたかったことを尋ねました。
「今どこにいるの?これから、どうしたいの?」
しかし、返ってきたのは、私の心をさらに絶望させる言葉でした。
「お前には関係ない。お前のせいで離婚するんだ。」
彼は続けます。
「最初は自分のことを分かってくれる人だと思ったけど、今は調子に乗って変わってしまった。パートなんてさせなきゃよかった。」
「俺も離婚しようと思っている。養育費は払ってやる。ネットで調べたら、一人2万円くらいが相場だろ?」
「婚姻費用は払うつもりないから。」
そして、最後にこう言い放ちました。
「お前のつけた弁護士は口が悪いし、態度も悪い。あいつから連絡が来るなら、俺は一切交渉に応じない。逆に訴えてやる。」
そう吐き捨てると、夫は荷物を積んだ車で走り去っていきました。
もう、直接交渉は限界だ
深夜の静寂の中、私は一人立ち尽くしました。
恐怖、怒り、そして深い、深い絶望。
- 深夜に勝手に家に侵入してくる恐怖
- 「婚姻費用は払わない」という一方的な宣言
- 弁護士を介しての交渉すら拒否する姿勢
翌朝、私は弁護士さんにこの一件をすべて報告しました。
やはり、冷静な話し合いなんて、もう不可能なのだ。
弁護士さんは言いました。
「このままでは埒が明かないので、次のステップに進みましょう。家庭裁判所に調停を申し立てます。」
「調停」
テレビドラマでしか聞いたことのない言葉が、自分の人生に関わってくる現実。
夫が家を出ていってから、約1ヶ月。
私の戦いの舞台は、いよいよ家庭裁判所へと移ることになったのです。
【次回予告】
初めて足を踏み入れる、家庭裁判所。調停って、一体どんなことをするの?夫と顔を合わせることはある?そして、調停委員を前にして夫が放った、信じられない言葉とは…。
次回、「初めての離婚調停。そこで待ち受けていた現実」をお届けします。
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